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商品の基礎知識・注意事項

メタルファスナー

銅合金ファスナーについて

1.銅合金ファスナーの特徴

銅合金は一般に酸、アルカリ、酸化剤、還元剤、硫化物等の薬品に反応し、変色することが知られています。
ファスナーに関しても、生地等にそれらの成分が残留していると、金属エレメント、スライダー、上下止等の変色、移染の原因になります。
耐食性が懸念される場合には、ビスロン®ファスナー、コイルファスナーのご使用をお勧めいたします。
黒染【MGK/RGK】錫めっき【MGPS/RGPSなど】は削れたり摩耗して内装の金属色が露出することがあります。
ご了承のうえご使用ください。
銅合金ファスナーの一つであるEVERBRIGHT®は、耐食性に優れたファスナーですが、革(主材料)、接着剤、保管環境によって変色することがありますので、製品での確認をお願いします。
シルバー、ダルシルバーのファスナーに関し、商品特性上、使用状況及び開閉回数によってエレメント表面からめっき(錫)がはがれることがあります。サンプルを十分評価していただいたうえで採用を判断してください。
また、これまで組み合わせたことがないスライダーや表面処理を使用する場合も事前確認をお勧めします。

2.ウール製品での変色

漂白加工後の洗浄や中和が不十分であった場合、製品仕上がり後にガス(塩素ガス・亜硫酸ガス等)が発生し、変色の原因となります。また、羽毛や他の獣毛も同様に発生する可能性があります。

    対策

  • 生地布は十分に洗浄・中和・乾燥したものをご使用ください。
  • プレス直後の袋詰めを避け、包装までの時間を十分に取ってください。
  • 製品保管の際は、高温・多湿な環境を避けてください。
  • 変色が心配される場合は、ビスロン®ファスナーかコイルファスナー+塗装仕上げスライダーへの変更をお勧めいたします。

3.洗い・後染め加工での変色

硫化染料による変色はもとより、反応性染料(綿製品)を使用した生地との接触も脱色、変色、移染の原因となります。

    対策

  • 後染めや洗い加工を行う際には、ファスナーの変色、生地移染に対し、十分な事前テストを行ったうえで、ご使用の判断をしてください。
  • 加工、仕上げ工程では湿潤状態での放置を避け、速やかに十分な乾燥を行ってください。
  • 製品保管の際は、高温・多湿な環境を避けてください。

4.生地布への移染

    次の物質と生地との接触が要因で、移染が発生する恐れがあります。

  • 生地に残留した薬品の影響により、エレメント・スライダー、上下止等に生成された腐食物質の影響。
  • 摺動を滑らかにするために、メタルファスナーに塗布されているパラフィン等の潤滑剤の生地への移行。
  • 黒染【GK】ファスナーの開閉時にエレメント摩擦により発生する削れ粉。
  • (アルミファスナーでも同様の現象が発生する事があります。)

    対策

  • アイロンプレス仕上げの際は布を挟んで行い、保管時にはファスナーとの接触部分に合紙をご使用ください。
  • 加工、仕上げ工程では湿潤状態での放置を避け、速やかに十分な乾燥を行ってください。
  • 製品保管の際は、高温・多湿な環境を避けてください。

5.皮革製品での変色

皮革のなめし工程で使用されるなめし材や酸類(硫酸、鉱酸、クロム化合物タンニン酸、アルデヒド化合物等)の残留や、ファスナー取付け時の接着剤等に含まれる加硫剤や添加剤の影響で変色することがあります。

    対策

  • 皮革なめし加工後の洗浄・中和を十分に行った材料をご使用ください。
  • 事前の評価テストを必ず行ってください。
  • 保管時には乾燥剤をご使用ください。

6.輪ゴムによる変色

輪ゴムに含まれる硫黄成分等の影響で、エレメントの腐食・変色、テープ部分の黄変等が発生する場合があります。
( AquaGuard®やクイックロン®、繊維テープでも黄変が発生する場合があります。)

輪ゴムによる変色事例 輪ゴムによる変色事例

※輪ゴムと接触していた部分のみ変色している。

    対策

  • 輪ゴムは使用せず、束ねる際は紙紐・綿紐等をご使用ください。

7.高温・多湿環境下での変色
(72時間再現テスト)

エレメントの変色
72時間再現テスト結果(エレメントの変色) 72時間再現テスト結果(エレメントの変色)
生地とエレメントの接触による生地の変色
72時間再現テスト結果(生地とエレメントの接触による生地の変色) 72時間再現テスト結果(生地とエレメントの接触による生地の変色)

    対策

  • 製品保管の際は、高温・多湿な環境を避けてください。

※商品の色、サイズは写真と異なる場合がございます。